2010年9月25日土曜日

「人文科学の挑戦?」

久々のブログUpです。


今日は、大阪本町にある相愛大学で、
内田樹先生&中沢新一先生&釈徹宗先生トークセッションを拝聴してきました。

実学偏重の現代において
「人文科学の可能性」や「グローバル化する社会をどう生きるか」
「これからの日本人の在り方は?」「大阪と言う都市」について、
熱いトークが繰り広げられました。

平松大阪市長も少しだけ、参加されたようですが、
ご公務で?中途退席されたみたいで、
お目にかかれなかったのが残念でした。

さて、この「人文科学の挑戦」と銘打ったトークセッションですが、
日ごろTwitterでつぶやかれている内田樹先生でしたので、




すごく身近に感じられました。(とてもご機嫌なご様子でしたね。(笑))
私が今読み進めている「ダーウィンの危険な思想」にも指摘されているように
先生方も、
「人知において自然科学も人文科学も元はつながっているのであり、
思考の根源である人文学的手順がこれからの自然科学に活かされなければならない」と
熱く話されていました。
また中沢新一先生は仏教と量子力学の類似性について語られ



「数を縦横に配置した数学の行列」を意味する「マトリックス」は語源は、
「マトリー」という「母体」や「子宮」を意味するのものであり、
『異物を抱え込み痛みを引き受ける』また、「自己を守りつつ抗体反応を解除」することでもあり、それは量子力学に通じることであると語られていました。


また、内田先生はご自身の武道の心身統一法から得られた体験から、
「身体を使う」ということは、すなわち「時間をかける」ということに繋がり
それは、同じく「母性原理」に通じるものであり
『東洋的学び』とは「時間をかける」ことであり、根本的に西洋の学びと異なると
指摘されたことは興味深いお話でした。


次に、グローバル化する世界での「日本人の在り方」については
「人生2割がちょうどいい」
「『ガラパゴス』でいいじゃないか!」
と、
中沢先生とともに大いに盛り上がり、
「これからの日本は、先端的ガラパゴス国家でいいじゃないか」と言われたことは、
私にとって、ある意味「眼からうろこ」でした。


また意外だったのは、
「大阪アースダイバー」調査も展開されている
中沢新一先生が、大阪びいき?(大阪での講演を意識されて?)
のようにお話されていたのは、大阪人の私にとってうれしい発見でした。

「超高齢化社会」「少子化社会」を甘んじて受けて立つ
私にとっては、ちょっこし(笑)コペルニクス的転回というべき、
発想に、大いに未来への展望が開けた思いがしました。

また「大阪という都市」については、


首都圏にありがちな「いくらでも代わりはいる、代わりがある」といった、
出版界やメディア界でのいわゆる「使い捨て」「人間の消耗品扱い」
を、非難され、
ここ大阪の「弱点に寛容である精神」というか「ガラパゴスの生態系」になぞらえて、
このメンバーでやっていくしかしゃあない(しかたない)的な大阪は、
今後「ガラパゴス国家」の牽引力になりうるかもしれない可能性を示唆されました。(笑)

とにかく、今宵、論客が集ったトークセッションは
私に新たな視点を与えてくれました。

パネリストの先生方、お疲れ様でした。

有意義なお話を本当にありがとうございました。。。☆

  ☆ お写真はトークセッションのプログラムから撮影させていただきました。
  無断掲載お許しくださいませ。。。☆

[追記]

 このトークセッションの詳しい内容は、

10月17日の 朝日新聞 大阪版に掲載される予定だそうです。