2010年11月8日月曜日

正倉院展2010年

11月11日に閉会間近い「正倉院展」に、
http://www.narahaku.go.jp/exhibition/2010toku/shosoin/shosoin_index.html

なんとか滑り込み?と言う感じで、行くことができましたぁ。(^^)

今年は遷都1300年ということで、
平日の午前中というのに、入場までに長蛇の列。(約30分待ちました。)

19年ぶりに出展されたこのポスターの ↑
螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)。
それはそれは、みごとな細工がほどこされ、神々しいほどでした。

  これが表面です。 ↓ (これは ポストカードより 撮影)



  裏面は一面に文様が施され、ため息が出るほど美しかったですよ。
  そして、この五絃琵琶の復元音声も聴くことができました。☆
  古の奈良時代にタイムスリップ!!

さて、次は、
もうひとつ、薬剤師として私の興味があったのは、
光明皇后が薬を大仏に献納した際の目録『種々薬帳 しゅじゅやくちょう』です。

                     


 ここは撮影禁止と言われなかったので、撮影してしまったのですが。。。



      ちゃんと、藤原仲麻呂のサイン?まであります。
    この藤原仲麻呂は光明皇后の甥にあたる権力者で恵美押勝とも呼ばれ、
後に「恵美押勝の乱」を起こした人物ですね。
さて [ 種々薬帳 ]しゅじゅやくちょう』に話を戻します。

聖武天皇の病治癒のため集められた60種類の薬の数々が記載されています。
巻末には光明皇后自ら
「病に苦しむひとのために用いるように」と書かれています
さすがに「施薬院」だとか「悲田院」を設けたといわれている光明皇后の
慈愛に満ちたお人柄が偲ばれますね。

『種々薬帳』に収載されている生薬のなかで
そのうち、正倉院に現存しているのは40種類だそうです。

『種々薬帳』に記載されている品目は、
大黄、人参,甘草といった私たちになじみのある生薬
現在も漢方薬として用いられているものも多くありますが、

その中に今回、実物も出展されいた「冶葛 やかつ」は、
全草にアルカロイド系の猛毒を含み、とくに若葉は毒性が強く、
その葉3枚で致死量となるといわれています。

なぜ『種々薬帳』の中にこのような猛毒を持つ
「冶葛 やかつ」も含まれていたのでしょうか?

政権争いの中で、聖武天皇の妾腹の子であった
「安積親王 あさかしんのう」の暗殺や、
「長屋王の変」で、長屋王の家族もろとも自害に追い込まれたという
歴史的事実を考えると、この「冶葛」が何らかの形で用いられたとも
推測されるのではないでしょうか?

とにかく、この『種々薬帳』には、
さまざまな愛憎の記録が刻まれていると考えると、
時の権力者の悲哀も垣間見えるのが興味深いです。
その他の宝物は。。。美しい形の鏡など、71点の至宝が展示されており、
天平の時代に想いをはせることができて、大満足でした。
(はぁ~やっぱり 歴史ある奈良はいいですね~~)☆


で、最後に お決まりの鹿さんたちです。(^^)

[ 参考文献 ]

☆ 読売新聞 10月特別号 「正倉院展」

☆YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/shosoin/

☆ 「 正倉院薬物の世界 」 鳥越泰義 著 (平凡社新書)
























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